交通事故による坐骨神経痛について

文責:院長 柔道整復師 市原 睦夫

最終更新日:2024年09月12日

1 坐骨神経痛で生じる痛みや不調とはどのようなものか

☑ 下半身にびりびりとしたしびれを感じることがある
☑ ある特定の動きをした時だけ、一瞬動けなくなる程の衝撃が走る
☑ 足にかけてだるさがあり、熟睡できない

 

 お尻・腰・太腿から足先にかけて、しびれのような感覚に襲われている方や、だるさ、痛み等の不調がある方は、坐骨神経痛が疑われます。

 坐骨神経痛は、臀部から大腿部・下腿部にかけて様々な不調が生じ、部分的に感じる場合もあれば、下肢全体に感じる場合もあります。

2 坐骨神経痛の原因として考えられること

 この厄介な痛みや不調を伴う坐骨神経痛は、何が原因で引き起こされているのでしょうか。
 様々な原因が考えられますが、最も多い原因として仙腸関節のズレによる骨盤の歪み・腰椎のズレによる馬尾神経・神経根が圧迫されることが挙げられます。


 ⑴ 仙腸関節のズレ

 私達の身体の中心(土台)は、仙腸関節を含む骨盤であり、それを支える脊柱が大黒柱のような存在であるといえます。

 仙腸関節がずれることで、その弊害として脊柱が変形する場合があります。

 交通事故で大きな衝撃を受けて、仙腸関節がずれてしまい、脊柱が変形する状態になるまで放っておくと、坐骨神経痛となってしまいます。

 

⑵ 腰椎のズレ

 仙腸関節がずれると、骨盤が歪んでしまいます。

 そして、脊柱が変形し、腰椎がずれて、馬尾神経・神経根が圧迫されると、坐骨神経痛となってしまいます。

3 坐骨神経痛を引き起こすと

 交通事故でお身体に強い衝撃を受けると、仙腸関節や腰椎がずれて、坐骨神経痛が生じることがあります。

 その場合、まずは日常の何気ない動作に痛み・だるさを感じ始めます。

 初期段階では、歩くたびに臀部・太腿に電気が走ったような鋭い痛みを感じたり、歩くだけで、絶えずピリピリ・ピクピク鈍い痛みを伴ったりすることもあります。

 中度・重度の坐骨神経痛では、お身体をどんな状態にしても激痛が走ります。

 痛みによる睡眠障害はもちろんのこと、酷くなってくると下半身の感覚が無くなってしまうこともあります。

 症状が悪化した結果、坐骨神経痛を発症した足の筋肉が衰えてしまい、左右の足の筋肉バランスが異様に変わってしまうこともあります。

4 坐骨神経痛は個人差があります

 坐骨神経痛は、筋肉の衰え・骨の密度の減退等々の要因から、中高年~ご高齢の方に多いと考えられています。
 しかし、最近では若年層世代にも坐骨神経痛となる方が多くいらっしゃいます。

 坐骨神経痛の痛みや不調は大きな個人差がありますので、「これくらいの下半身の痛みやしびれなら、そのうちよくなるだろう」と、安易に判断してしまうのは危険です。

 交通事故後に、お尻や腰、足先にかけてしびれや痛みを感じた際は、坐骨神経痛を疑い、なるべく早く適切な施術を受けることをおすすめします。

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